最近、気分転換をするときなどに、動画を見る機会が増えてきました。
Youtubeをはじめ、FacebookやInstagramなどのSNSにも、いろいろな動画が投稿されています。
最近は、そのような動画を集めたTV番組も多くなっているように思います。
私は気分転換に見ているので、特に何か目的があって見るのではなく、表示されたものを流し見る感じが多いですね。
テレビ全盛時代でいえば「ザッピング」のような感覚でしょうか。
そんな感じで流し見ているときに目に留まるもののひとつに、「赤ちゃん」の動画があります。
赤ちゃんの動画と言っても、人の赤ちゃんのものもあれば、動物の赤ちゃんの動画もありますね。
共通しているのは、どちらも「かわいい」ということです。
無条件にかわいいですよね。
でも、赤ちゃんはどうしてかわいいんでしょうね。
赤ちゃんがかわいいのはなぜ?
電車の中や街中で、お母さんに抱かれていたりベビーカーに乗っている赤ちゃんを見かけると、ついついほっこりして笑顔になりまってしまいます。
そして、赤ちゃんに向かって笑いかけたりあやすようなことをしてしまいます。
自分の子どもだけでなく、初めて会う赤ちゃんなのに、どうしてかわいらしく思えるのでしょう?
顔かたちは人それぞれ、赤ちゃんによってさまざまですが、赤ちゃんを見るとかわいいと感じる気持ちは共通していますね。
赤ちゃんのかわいらしさについては、専門的な研究もされています。
代表的な考え方のひとつとして、外見的な特徴、つまり「見ため」がかわいいと思えるようになっている、ということがあるそうです。
1973年にノーベル医学生理学賞を受賞している、動物行動学者コンラート・ローレンツ(Konrad Lorenz)さんは、人や動物の赤ちゃんに見られる見ための特徴を「ベビースキーマ(baby schema)」と定義しました。
ベビースキーマについては、Wikipediaに次のような特徴が書かれています。
「身体に比して大きな頭と小さな鼻」
「顔の中央よりやや下に位置する大きな眼」
「突き出た額」
「短くてふとい四肢」
「やわらかい体表面」
「丸みをもつ豊頬」
「全体に丸みのある体型」
「ぎこちない動き」
人に限らず、動物の赤ちゃんもこの身体的な特徴を兼ね備えているので、かわいいと感じたり守ろう思う心理がはたらくのは動物の持つ本能なのだそうです。
その結果、生まれてすぐには1人では生きられない赤ちゃんが、大人による愛情を受けられるようになっているのだそうです。
赤ちゃんの動画を見て、思わず頬が緩む私ですが、頭で考える以前に、無意識に自動的反射的にとる行動ですから、本能と言われれば、そうだよね、と納得です。
ちなみに、赤ちゃんの中でも最もかわいいと思えるのは11カ月くらいの赤ちゃんだそうです。
TAハッピーカードではステージ2(6カ月~18カ月)にあたります。
運動機能が発達し、自分で行動を始める時期です。
活発に動き回る赤ちゃんを見ると、気が気ではありませんよね。
そのような赤ちゃんの動作、行動、表情のひとつひとつに愛おしさを感じ、かわいいと思う気持ちが湧いてくるのかもしれません。
自分の子どもに限って言えば、一緒に生活し見守っている時間も長いので、より愛着がわき、かわいいという思いは強くなりますね。
これを「親ばか」と言うのでしょうか・・・。
それと、赤ちゃんは、反射的に微笑む能力を持っているそうです。
何が楽しいのかわからないけれど、赤ちゃんは笑います。
その笑顔に、ハッとなることもあります。
泣いている赤ちゃんより笑っている赤ちゃんのほうがかわいいですよね。
これも、生き抜くために持っている生存本能なのかもしれません。
ちなみに、最近は、電車の中で赤ちゃんの泣き声が聞こえると、うるさいなと思うよりも、思わずにっこりしてしまいます。
赤ちゃんの存在自体に幸せを感じます。
幸せホルモン3種類
私が幸せを感じているとき、体の中では何が起こっているのでしょう?
幸せを感じているときには幸せホルモンが分泌されています。
その幸せホルモンですが、特に大切な役割を持っているものとして、3種類あると言われています。
それは、「セロトニン」「オキシトシン」「ドーパミン」の3つです。
・セロトニン
イライラを抑え、心のバランスを整え、心身の健康や安定をもたらし、平常心を持ち続けることができます。
・オキシトシン
心を落ち着かせる効果があります。親しい人からタッチやハグといったスキンシップで分泌されるので、愛情、つながりを育みます。
・ドーパミン
うれしいことや良いことが起きたときに分泌され快感を得ることができ、意欲が湧いて、もっとうれしいことや良いことを行おうとします。
赤ちゃんを見て幸せを感じるは、オキシトシン的な幸せを感じていると言えるでしょうね。
この幸せホルモンですが、精神科医の樺沢紫苑さんによると、幸せになるには幸せホルモンの優先順位があるそうです。
(参考:樺沢紫苑『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』(飛鳥新社))
樺沢先生は著書の中で、それぞれの幸福を次のように説明しています。
・セロトニン的幸福・・「健康」
健康の幸福。心と体の健康
・オキシトシン的幸福・・「つながり」
つながりと愛の幸福。友情、人間関係、コミュニティへの所属などの幸福
・ドーパミン的幸福・・「お金、成功」
お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福
この「健康」「つながり」「お金、成功」の3つの幸せを得るためには順番があるそうです。
それは、
セロトニン的幸福 → オキシトシン的幸福 → ドーパミン的幸福
の順番だそうです。
ドーパミン的幸福は最後で、順番を間違えると不幸になるとまでおっしゃっています。
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福は、「基礎」「土台」となるそうです。
基礎がしっかりしていないと、その上に丈夫な建物を建てることはできません。
セロトニン・オキシトシン的幸福の「幸福の基礎」がしっかりとできていれば、その上にドーパミン的幸福は、いくらでも積み上げていくことができるそうです。
心と体が健康で精神状態も安定し、愛情に包まれた人間関係があって、初めて高いパフォーマンスが発揮できる、ということですね。
確かに、高いパフォーマンスを発揮し成功したとしても、心と体が安定していなければ、暗中模索、疑心暗鬼、不安でいっぱいになりそうですね。
ドーパミン的幸福が最後、というのは、その通りだなと思えます!
セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福を盤石にして、ドーパミン的幸福を積み上げていくことで、3つの幸福を手に入れることができることになり、これを「幸せの三段重理論」というそうです。
私は勝手に「セオドの順」と命名しました(笑
ザイオンス効果 遠くの親戚より近くの他人
幸せを感じるためにはまず自分を大切にして、心と体の健康を整えるのが大切なことはよくわかりました。
普段の生活を考えると、どうしても他人のことを考えがちな私がいますが、そこは「自分ファースト」。
まずは自分を大切にしようと思います。
その次に考えるオキシトシン的幸福にある「つながり」ですが、「ザイオンス効果」という考え方があります。
ザイオンス効果とは、Wikipediaによると
初めのうちは興味がなかったものも何度も見たり、聞いたりすると、次第によい感情が起こるようになってくる、という効果。
となっています。
よく会っている人や、何度も聞いている音楽は、だんだん親近感を増し、好きになっていく感覚ありますよね。
その感じのことを「ザイオンス効果」というそうです。
人と会うことで、オキシトシン的幸福をつかんでいたのに、コロナ禍で人と会う機会が減少したことで、幸福度が下がっているというようにも考えられますね。
「遠くの親戚より近くの他人」ということわざがあります。
いざという時は遠くにいる親戚よりも近くにいる他人の方が頼りになる、とか、疎遠な親戚よりも仲の良い人の方が助けになるという意味ですね。
例え親戚で血が繋がっていたとしても、遠く離れて会う機会が少ないと、心の距離はだんだん遠くなっていきますよね。
反対に日常生活の中では、普段親しくしている人や、会う機会の多い近くにいる人の方が心の距離が近いので、安心できます。
あいさつだけでも良い、もっと言えば顔を見るだけでも良いので、親しくしたい人とは定期的に合うようにした方がよさそうです。
私の場合は、コロナになって直接ではなく、オンラインで人と会う機会が増えました。
Zoomを利用しての会議やセミナー、主催する朝活や茶話会ですね。
特に朝活・茶話会では、毎週金曜日の定時開催をしているので、繰り返しご参加いただく方がいらっしゃいますが、とても親近感を覚えます。
もっと言うと、直接お会いしたことが無い方が多いのですが、心の距離はとても近いものに感じています。
画面にお顔が映って、そのお顔を見るだけで、ホッとして嬉しくなります。
私の中では、オキシトシンがいっぱい分泌されていることでしょう。
コミュニケーションには言語、非言語の2種類があります。
私が最近思うのは、非言語でのコミュニケーションでの大切さです。
赤ちゃんをみてかわいいと思うのも非言語でのコミュニケーションです。
かわいいと思う気持ちは私をオキシトシンで満たして幸せを感じさせてくれます。
オキシトシンで満たされた私からあふれた「幸せ」はきっとほかの人にも伝っているのではないかなぁ、と感じています。
言葉でコミュニケーションをする時も、言語・非言語が一致した状態で相手に接したいですね。
赤ちゃんの動画を見たり、ザイオンス効果を利用し、「セオドの順」で行動し、幸せを掴めるようにしましょう。