TAシュハリズム研究会に集ってくださる皆様、
2025年もTAの学習活動を通じて、“守・破・離”を一緒に実践して参りましょう。
引き続き今年もどうぞよろしくお願いいたします。
で、初回は青沼の番ですが、、、あっという間に2月に突入です。
今回のテーマは『違いを味わう』
今年は何を企画しようか……と秋ごろから思い悩み、役員会でも話し合い、計画が進んでいます。
新しい学習グループも生まれ、昨年からの継続グループも新たな気持ちでスタートしていて、そして皆さん熱心です。
年間の活動内容は次回ご紹介するとして、2024年の私にとっての3大トピックスをここに挙げて、今後の私達に期待していただきたいと思います。
第3位:活動の仲間が増えたこと
数年前から一緒に講座を企画・担当してくれていた心理療法分野のPTSTA(准教授クラス会員)の
関真利子さんが、新たに役員に加わってくれました。
これによって、分野の異なるTA実践家が“一緒に学び・何かを生み出していく”ことが、一歩前進します。
もっともっと異なる分野の仲間と集えれば、いいな~~~
うちのグループは、分野の垣根を越えて集い学び合いたいのです!
第2位:国際学術大会(カンファレンスと呼びます)に参加したこと
ニュージーランドTA協会が主催するカンファレンスに、関真利子さんと参加してきました。参加し、ワークショップも担当してきました。
この大会のテーマは、Karangarua – Unity Through Diversity in Relationship
カランガルア – 人間関係における多様性がもたらす一体感/調和
案内文にある説明に、私達はとても興味を持ち、時間をかけて話し合い、この大会に参加してワークショップを担当する決意を固めました。
『この会議のテーマは、ホストとゲストの両方に敬意を払いながら、さまざまな違いや多様性を認めるような形で、私たちがどのように出会い、挨拶し、席に着くかを体験し、考え、議論するよう私たちを誘う。
私たちはまた、このようなことがうまくできないとき、さまざまな形で人間関係が断絶したときに何が起こるのか、そして意見の相違、対立、暴力、戦争をどのように理解し、介入することができるのかについて考え、議論する場を提供したいと思う。そこで、これらのテーマに関する論文やワークショップの発表も募集する。』
私達は、ワークショップの申し込み用紙にこう書きました。
『現代、アニメ、マンガ、ゲームや日本食など、日本の若者文化/ユースカルチャー(youth culture)は、世界中で受け入れられ人気を博している。と同時に、アジアの端に位置する島国の、四季折々の表情を見せる山々や歴史ある神社仏閣は、観光名所として非常に有名になっている。
一方、それら日本固有の文化を創り上げてきた日本人の“静と和”を重んじる国民性は、「物言わぬ国民」と揶揄され、議論を良しとしてきた諸外国には理解しにくい一面として映るかもしれない。
今回私達は、「日本の文化的脚本」について紹介し、TAの見地から捉えた日本のWe-nessの特徴と、現代の若者世代の教育や心理支援の現場から垣間見える「We-ness」の変化に関する考察を中心に発表する。
またこれを論点として、参加者の経験や見地から意見を募り、相互の類似点と相違点など、文化を越えたWe-nessの探求を図りたい。』
大会2日目に担当したのですが、このワークショップの詳細については、またどこかの機会に報告しますね。
え??成功したのか?って…
はい、もちろん上手くいきました!
上手くいく…この言葉のなかにはさまざまな事柄が含まれています。
当然、初めての土地・初めての大会参加+慣れない通訳付きのワークショップ
準備段階含め、ドタバタ劇はあっちにもこっちにもありました(笑)
✔ 部屋が参加人数によって移動する…で、どこ??
✔ PCの電源差す場所は?
✔ 差してもスクリーンに映らないけど??
✔ 技術担当者はだれ??
✔ 参加者がきてくれるかしらん…
なんとかスタートでき、レクチャーも練習したように進み、後半は参加者の皆さんと意見交換も
できたし…とにかく無事に終わりました♡
もちろん、100点満点なんかじゃなく、ちょっぴり反省・後悔することもありましたが、これこそが次の成功の糧になる『建設的ネガティブ・ストローク』。これを変換させるのは自分!と、帰りの飛行機の中で心に固く誓ったのであります。
この発表で私たちが伝えたかったこと+体現したかったのは
〖We-ness〗
これは、現時点で最新のTAの考え方のひとつです。
2000年にニュージーランドのKeith Tudor博士とイギリスのGraeme Summer氏が論文を発表して以来さまざまに議論され、今や国際TA協会で十分に受け入れられている「Co-Creative TA」概念。その3つの原則のうちの一つで、重要なキーワードです。
このWe-nessの捉え方が、異なる文化(西洋と東洋はもちろん)を持つ人たちでは、違うんじゃないのかな?というふうに考えたのです、私達は。
結論から言うと、日本人のWe-nessとは〖自他共栄〗
これは、かの有名な柔道の祖・嘉納治五郎氏の言葉です。
当日使用した資料の最後に、この説明を載せました。
We-ness meansrespecting and being grateful to the other person, developing a spirit of
mutual trust and helping each other, and working together to create a world
that is prosperous not only.
自他共栄とは、相手に対し、敬い、感謝をすることで信頼し合い、助け合う心を育み、自分だけでなく、他者と共に栄えある世の中にしようとすること
この当たり前こそが日本人のWe-nessだと結論づけて、西洋で育ったTAの世界観との違いを念頭に、現代における功罪も含めて発表したのです。そうです、功罪です…
そしてこのことを話材にして、国や文化の異なる参加者と短い時間でしたが意見交換しました。
この発表の体験は本当にエキサイティングでした。この体験から分かったこと・合点したことは、今後のTAを日本で/世界で実践・牽引するにあたって、大きな力を私たちに与えてくれたと実感しています。
第1位:オンラインと対面で口答試験を体験をしたこと
現在CTAという基本の資格を取得するためには、筆記試験と口答試験の二つを突破しなくてはなりません。
コロナ以降、この口答試験は対面とオンラインの2つの方法があり、どちらでも選ぶことが可能になっています。
昨年夏あたりから準備していた[オンライン口答試験]ですが、10月の試験では試験官にはなれず、「オブザーブ」と言う役割を2回担うことができました。オブザーブすることで、試験官と受験生の両方の立場で、客観的に試験を「学習」できるのです。
この体験が、私自身の経験不足を補うのにとてもためになったこともあり、ニュージーランド大会で実施される対面の口答試験の試験官にもチャレンジしようと考えたのです。
当日、会場に出向くと、どうやら受験者も少なく、当然試験官も少ない…
貼りだされたグループわけを見て、びっくり仰天!!
試験は4人の試験官で1チームを組みますが、なんと私はそのグループのリーダー/チェアを任されていたのです…( ゚Д゚)
一瞬時間が止まり唖然としたものの、火事場のばか力&一点集中前面突破!!
(こんな荒っぽいまとめですみません)
なんとか無事に役目を果たし、受験者も合格して、めでたしめでたし
この間、私の頭の中では、大好きな絵本「エルマーの冒険」のストーリーが出たり入ったり。
捕まった子どもの竜を助けに行く冒険好きの勇敢なエルマー少年
相手をよく観察し、知恵を働かせ、仲間と協働する力の持ち主
この経験で得たことは「TAの口答試験は、その場に居る全員のCo-Creativeな協働作業の結果だ」ということ。
受験者に敬意を払いつつ、出会いに感謝をすることで信頼し合い、試験という困難を共に乗り越えるために助け合う心を育み、自分だけでなく、他者と共に栄えある結果をだそうとすること
自他共栄=We-nessが、ここでも生きてくるのです。
これを肝に銘じて、今後も試験に携わりたいと思っています。
そして今年も、TAが好きで学びたい/自分に・他者に・仕事に・家庭に活用したいと思っている皆さんと「共に栄えるために」集い学びたい!
皆さんにとっても、実り多い年となりますように♡