“ネットで今すぐ動画を見よう!NETFLIX ”
というようなキャッチコピーを
テレビなどで見たことがある人も多いと思います。
私もその一人です。
私にとって、アニメや映画、ドラマが見放題!
音楽も24時間!
というキャッチコピーにはほとんど興味がなく、
私のお友達の一人がいつも
マンネリ化したテレビ番組を見るよりは
絶対的に NETFLIX! と絶賛しているけれど、
いつも「NETFLIX……ふ~~~ん」と思っているだけで
余り興味のないNETFLIXでした。
そんな中、今回ブログでその会社について書いている私です。
何がどういうきっかけで、
興味津々になるか! ……人生、分かりませんね(^^
今月の私のブログ投稿は、
アニメ、映画、ドラマや音楽のことではありません。
まずは、書籍のご紹介から
NETFLIX の共同創業者・会長兼 CEO のリード・ヘイスティングス氏と
INSEAD教授のエリン・メイヤー女史の共著、
英語のタイトルは、「NO RULES」
サブタイトルは、"NETFLIX and the Culture of Reinvention"
邦訳本が日本経済新聞出版から出ています。
邦訳タイトルは、世界一「自由な」会社、NETFLIX
サブタイトルは、NETFLIX の「脱ルール」カルチャー
ちょっと目を引いたんですね
The Culture of Reinvention……
Reinventとは、新たに作成し作り直すという意味があります。
いろいろ経験を積み重ね、
それら経験からの学びで
新しい組織文化を創造し続けている結果、
今のNETFLIX社が生まれたようです。
……本を読んだ感想です。
……大人の読書感想文? になっているかどうかは別ですが、……
私、あべともこは、
エリック・バーンのTA組織論を紹介したくて、
日本の現場でどう活用するのかについて書いた書籍、
2014年に西日本出版社から出版しています。
この本を書いたのは、
自分達が関係している組織を客観的に観察、分析し、
現状やゴールに合った新しい組織文化を創造できることを
一人でも多くの現場の人達にお伝えしたいという理由だったので、
このタイトルに惹かれてしまいました!!!
2021年は、昨年からのコロナの影響で
私達が働く、関係する多くの現場で
今までのやり方考え方そのままでは存続できない状況となり、
新しい考え方ややり方、そこから
新しい文化を創ることが求められています。
私のTA組織論の講座案内の冒頭にこんなことを書いています。
古い価値観を
リセットし、
目の前の状況を
乗り切る!
考えるためのツール(TA)を
手に入れる!
……TA組織論講座は、2月開講です……
~~ お申込はこちらから ~~
という流れで、
こりゃやっぱり読まなきゃ! っていうところで、読みました。
そこで、私が発見したことを
TAシュハリズム研究会のブログでシェアします。
もちろん最終的には解決方法は、
TA はやっぱり役立つという所に行きますよ(^^
NETFLIX の創業者達が語っていることと
TAとどう結びつくのか!?
興味を持っていただいた方、乞うご期待!
続きをお読みください。
少々長いです……
私が見たNETFLIXのリーダーシップのあり方の一つとして
指示はしない。があります。
何々をしてください。
こんな風にしてください。
これは守ってください。
と言ったような
指示やある種のコントロールというものはなく
社員に対しては、
今社内にある資源を全て伝えるという文化を作っています。
どういうことかというと、例えば一番わかりやすいのが
会社の経理の状況というのがひとつ挙げられていました。
これだけのお金がある。そしてこれだけのお金が必要だ。
あなたがやりたいというプロジェクトは
それら資源や条件の中でどう発展させていくのかを
その人自身にあるいは、チーム自体で考えてもらうところから出発するようです。
例えば、新しいプロジェクトを推進していくために、
担当者は大阪から東京に今までグリーン車を使っていたけれども、
この状況だと普通車で行こうと担当者自身が考え、行動するというようなやり方です。
もちろん、状況が異なれば、普通車がグリーン車使用にもなり、
いちいちその決済を必要としないルール。
……会社には、役職毎の旅費規程表などは存在しません……NO RULES!
お金の事だけでなく本文では、
会社が持つコンテキスト(背景)を共有すると言っています。
コンテキストには、組織の歴史や、これからの目標やゴール、
組織の想い、財務状況などさまざまなストーリーが含まれます。
それは、スタッフ一人ひとりが組織の一員として
何が適切で、何が無駄なのかあるいは
何を誰に相談できるのか、頼んだらいいのか、
スタッフ自身が考えるベースを与えることになります。
自分のプロジェクトを成功させるための準備段階で、
不足部分を認識し、プロジェクトを遂行するための
重要な課題を発見し、周囲へのサポートを求め始めます。
そこでは当然、あいつのせいでこのプロジェクトが進まない! なんて
責任のなすりつけ合いなんては生まれません。
お互いが持っている情報やスキルを惜しみなく提供する
「最高の職場」となるのですから・・・。
スタッフ間での協調性が育つ環境が生まれ、育ちます。
人間関係がギスギスしたところでは、
成り立たないNO RULESの組織。
そして、それは自発的に考える人達があつまる
「最高の同僚」達の集団となります。
本の中に書いてある
「最高の職場=最高の同僚」が生まれるコンテキストのようです。
ここでのNETFLIXの「最高の職場=最高の同僚」という
組織文化を創りあげる物語の土台となっている重要なポイントは、
組織が求める人材像を明確に持ち、維持しているということです。
TA組織論でいう、組織を作る外的機構要素としての
重要な項目の一つです。
スタッフそれぞれのパフォーマンススキルは
重要な採用ポイントですが、それ以外に
協調性があるかどうかが
同様に採用時の大きな視点となります。
ふたつ目にNETFLIXが大切にしていることは、
個人に最高水準の報酬を与えるということです。
これは、だれが聞いてもワクワクする組織ですよね!
本の中ではこんなことが書かれていました。
メンバーの一人が別の会社からヘッドハンティングの打診を受けたという話です。
そのスタッフは業界で当時たった四人しか理解できない
「アルゴリズム・プログラミング」の知識を持つ内の一人でした。
その4人のうち3人が当時NETFLIX社に在籍していたので、
この1人を手放すと競合相手が強くなるあるいは
さらに他の二人も引き抜かれるかもしれないと言う状況下で、
生まれた新しい文化だったようです。
私はここで、家電や家具等を購入する際に
「他店との販売価格に合わせます」的値引き交渉を思い出しました。
超~庶民的発想ですが、腑に落ちました(^^
NETFLIXでは、
ヘッドハンティングされたスタッフの「報酬」を
その時の市場価格に合わせるあるいは、それ以上の報酬をだすことで、
大切な人材をキープするという考え方に変えたのです。
それは同時に、
スタッフ自身も自分のパフォーマンスや協調性といった面での
自己研磨もさらにレベルアップする環境を作りだします。
「ヘッドハンティング」には、アメリカらしい文化を感じますが、
日本もそういう文化が定着する時が、近々やってくるのではないでしょうか。
ヘッドハンティングされたら、上司に報告するという文化は凄いですよね。
そこで、上司から「そう、いいじゃない」って
転職OKのサインがでたら、寂しいことこの上ないですよね。
NETFLIX社では、その人のパフォーマンスを見て、
「いってらっしゃい」となることももちろんあるようです。
ヘッドハンティングされたスタッフは、
やはり悩み、心が揺らぐ時もありますよね。
そんな時には、社内でのパフォーマンスに少なからず影響が出ます。
それを見逃さないためにも
定期的に行う「それぞれのポストに最適な人材であること」の
確認面談を実施しているそうです。
NETFLIX 社の「自由と責任」の新しい組織文化の強化策として、
「キーパーテスト」や「フィードバック」というシステムを導入しています。
そこでは、スタッフ一人ひとりが最適な人材であるかどうかを
常にチェックしていると同時に、
最適なパフォーマンスを継続、より最適化するために
さらなるレベルアップを図っています。
そのために、人材のみならず、環境を整える機会を設けています。
ここでは、TAのスーパービジョン・スキルが役立ちますね!
本の中で、フィードバックについて書かれているくだりには、
NETFLIX社が日本オフィスを運営し始めたころ、
組織内で、上司と部下間相互のフィードバックの取り組みを行った、
とありました。
その際、部下が上司にフィードバック! ということが
余りにも日本の組織文化にマッチしなくて
実現しなかったという出来事も書いてありました!
それはそうですよね。
日本人の文化の中には難しいミッションです。
で、NETFLIX社幹部は何をしたかというと、
コンテキストの共有です!
日本オフィスのすべての人達に、
なぜこのフィードバックの取り組みをするのか、
一人ひとりに何を求めているのか
それが今後どう役立つのかなどなどの
背景を丁寧に説明したそうです。
すると、
翌日には素晴らしいフィードバックの取り組みができ、
日本人全員のパフォーマンスと協調性に変化が生まれた!
とありました。とても印象的でした。
まとめてみると、
このNETFLIXという会社は、
自分はそこで何が出来るのか、
何がしたいのかということが明確な人達が集まる
集団なのだとおもいました。
なぜなら、組織自体が、そこにいる人たちに、
現状とあるべき姿、
どこに向かっているかと言うゴールを明確に
情報共有する土壌を作っているからです。
自分のスキルや学び、経験をどう活かしたいかが明確であれば、
目の前の組織やグループでにおいて自分の居場所がイメージでき
どう貢献できるのか、
会社の夢やゴールと自分の思い描く先が一致することで
モチベーションが上がり、
成り立つんだなって確信しました。
異なる視点でいうと、
自分自身が自分のスキルや学びや経験を
どう活かしたいかを明確に持つことで、
自分の居場所を見つける・創ることができるということです。
今からの組織やグループがすべて
NETFLIXのような組織になるとは思いませんが、
ひとつの成功例として彼らの考え方ややり方
NO RULESと言うルールのあり方を
学んだ書籍でした。
そこには、組織存続に欠かせない外的機構要素として
はっきりとした要素(ルール)が存在し
中にいる人たちを守り
結果的に社会に貢献するという組織を
作り上げていたんだと確信しました。
やっぱり、TAで説明できる!!!
TAを学び、理解すると役立つ!
今回は本書を読んで、NETFLIXという会社を
TA理論とTA組織論とを重ねながら読み込んでみました。
NETFLIX社関係者の方や、この書籍をしっかり読み込んだ方々から、
そんなんじゃない! というお声が生まれるかもしれません。
そんなフィードバックも頂きたいと思います。
皆さんと共にダイヤロークを重ねて、
世の中のお役に立つことができればこんなうれしいことはありません。
私の講座の中でもお伝えし、
講座内でディスカッションできるように進めます。
ではまた、1か月後に投稿します。
*** 今日の私の投稿に限らず、
TAシュハリズム研究会のブログへの
感想、フィートバックなどお聞かせください。
お待ちしています。
あべともこ