6月3日の日本時間23時から始まった48時間にわたる
ITAAの第1回オンラインConferenceは、
「COURAGE, PHYSIS AND RESILIENCE: Resourcesfor a New Emerging World」
(勇気、フィシス(Physis)、そして回復力:新しい世界のためのリソース)
のテーマで始まりました。
4つの基調講演(Keynote)がありました。
最終日の4つ目の基調講演は、教育分野のTSTAである
Sylvia Schachner(シルビア・シャヒナー)氏(教育分野のTA(邦訳)第12章に寄稿)が
登壇されました。
彼女は、私達参加者に
難しい状況や困難にも立ち向かえる
自律的な人材を育むことができるのはTAであり、
勇気とフィシス(physis)そしてレジリエンス(回復力)は、
訓練(トレーニング)をすることで習得が可能であると明言し、
「教育の場」を、TAを用いて創造し、
困難や変化に立ち向かう人びとの勇気を後押しするのがTAの実践家である
と強く語ってくださいました。
その中身の一部をご紹介します。
私のメモと記憶が頼りなので、後で修正もあるかもしれませんが、
今日のブログはこの内容を(Part 1)としてを書きます。
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今ヨーロッパでは酷い戦争が行われ、
多くの人がそのことについて考えたり、意見を述べたりしています。
まさしく私達は困難な状況に直面しており
私達がどの方向に向いて動き出すのかという
問いかけをされているようです。
そんな時、
私達がどのような倫理に沿って判断するのか,
私達が考えていることが信頼できるのかが問われます。
自分たちが持つ哲学や倫理的ガイドと呼ばれるもの、
その他、自身の経験、ほか、もろもろと合わせ考えながら
世界中の全ての国のどこかで、
私達一人ひとり、 考えているのではないでしょうか?
ヨーロッパの戦争に対し、いろいろな意味づけや視点があります。
まさにグローバルな世界に住んでいる私たちが、
全てのものが繋がっていることを
まさに肌で感じているのは現実ではないでしょうか?
ヨーロッパの戦争は別の国の問題だとは言い切れないのが現実です。
そう考えると私達一人ひとりが
考えるという行動に出ることが求められるのではないでしょうか?
そこで、私は教育分野の一人として考えてみることにしました。
親として、教育者として、トレーナーとして
いったい何ができるのでしょうか?
私達一人ひとりの職業や年齢に関係なく、
私達がいる環境や生活様式が異なっていても、
考える時がやってきているのです。
教育者というものは、
それぞれの文化の中で、子ども達や大人達に
何らかの影響を与えて行く職業であることは事実です。
教育は、ある世代から次の世代へうつりゆく中で、文化や哲学をも伝えていきます。
そんな前提をふまえ、私は次の5つのことを考えてみました
1.常に複雑化するこの世界で、特に大人達が、成長し、レジリエンスを構築するためには何が必要なのか?
2.暴力、テロ、破壊によって特徴づけられる人々や、政治制度があるとき、 私達はどのようにすれば尊敬と相互性の原則に従うことができるか?
3.地球環境に対する敬意と謙虚さを育むにはどうすればよいのだろうか?
4.教育者やトレーナーは、教育と訓練のプロセスにどのように 世界の複雑さと変化を含めることができるのか? またそれはどのような方法か?
5.どのようにTAの哲学とそれらモデルは、これらのプロセスをサポートし、 刺激することができるか?
これらのことを実現するためには、
私達教育者あるいは先生達の成長が求められます。
世の中はより複雑になります。
それに伴い、より多くのレジリエンスを開発し構築する必要があります。
世界が予測不能な事態に陥っているときは、特にそれらを真剣に考える必要があります。
戦争や気候変動の問題にどう対応するかも同じです。
尊敬と相互関係(OK-OK)の原則に従うにはどうすればいいのでしょうか?
私達がどのように反応することができるのかあるいは、
私達に何ができるのかを探し出す必要があります。
環境に対する敬意や謙虚さを
どのように育てることができるのか?
そのためには、自然や動物、植物への関心を広げていくことが必要になります。
私達が今持つ自然や環境を大切にしなくてはならないのです。
私達がこの自然を守れなければなりません。
私達は、別の惑星に移り住むことは不可能なのです。
この地球を守ることは、私達に残された一つのチャンスなのです。
適切なタイミングで適切な事を行うために
どのようにして適切な教育者を確保できるのか或いは育てるのか。
これも重大な課題です。
私が考えるのは、自分自身の哲学を持ち、
そしてモデルを探すことが大切だと思っています。
私は、2冊の本に出会いそしてその中身がとても役立ちました。
TAの最終的な目的は何でしょうか?
自律性の確立です。
それは、どうすれば手に入るのか?
モデル化が必要になります。
私が読んだ2冊の本の一冊について。
彼(ヴィクトリア・フランクル)は彼の本の中で彼の経験を説明しています。
彼がどんなひどい状態にあっても
生き残るために必要な彼の可能性と選択肢を持っていたことです。
そこにはレジリエンスと人間性のモデルがありました。
私達は目の前のことに反応しなければならないということです。
そして、私達はどのように反応するかを自らの力で決めることができるのです。
困難な状況に出会った時、
それを意味のある人生に統合していく
意味づけする方法を見つけていく。
……ここがとても重要なポイントです。
困難な状況でどのようにあなたが希望を持つことができるかが重要です。
いくつかの行動に取り掛かるという選択肢を持つ、
あるいは、
その選択肢を見つけることが希望・自信となるのかもしれない。
状況を克服するための良いオプションをもつ。
私はこれがとても重要だと思っています。
人間の知性の可能性を信頼するために
私達は自分の力を信頼しなければなりません。
自分達の目標を達成するための自信と、
サポートによる現実的なオプションによって、
目標をひとつひとつこなしていく
TA 的に言うと、
統合しているアダルトを活性化し、
考えることと、成功することへの内的許可を活性化するということです。
回復力(レジリエンス)を持ち、楽観的で信頼できる希望をもって
自信を持つ方法と人生を見るための信頼できる哲学を持つことが大切です。
未来はどんどんと発展し、ますます予測不可能になります。
そこで必要なのが、自律性で、
自律的に行動ができることは、レジリエンスと非常に深く関係しています。
レジリエンスについては、次回にお伝えします。
<< 続く >>
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